うわぐすりの原料 うわぐすりの原料は、地殻の中から採掘した鉱物や岩石などを選鉱処理した原料と、天然原料から特定成分だけを抽出分離して、純度を高くした原料とに分けられます。 前者は天然原料とよばれ、長石、陶石、カオリン、土石、含鉄土石原料などを総称します。 また後者は、人工原料とよばれる工業精製品で、各種酸化金属や炭酸塩金属などをいいます。 うわぐすりの原料を考える場合とくに重要な点は、産出する天然原料の各種鉱物の種類によって性質が異なる点です。 いい換えますと、原料の鉱物組成、物理的ならびに化学的な性質、原料の地質的な成立ち、結晶構造、その他の諸性質について十分な理解が必要となります。 とはいいましても、一般に用いる現場の作業では、そこまでの情報は得がたく、実用の面で管理することは不可能に近いことと思われます。 天然原料とよばれる一連の原料はその性質上、バラツキが出ます。 個々の原料の特殊性を生かした調合を造り上げた場合には、発色に不安定さを伴いますので、原料の管理が大切となります。 うわぐすりを作り出す作業は、根気の必要な、同時に夢のある作業です。 地球の資源を合成して、美しい色を造り出すことです。 うわぐすりの技術は、陶磁器の装飾に欠かせない最も大切なものです。 |